「おいしい!」がつなぐ、幸せが循環するレストラン vol.1
Feburary 2021
Text:Mari Matsunaga
Photo:Ryo Higuchi

夜な夜なおいしいもの好き、お酒好きが集まる、中目黒のビストロ「グルドボワ」。気取らぬ雰囲気ながら、自然派ワインと洗練されたフレンチが楽しめるお店は、リネンアンドデコールのオーナー、菊川もお気に入りの一軒。2回にわたり人気レストランの魅力を探ります。



自然派ワインと出合ったことでサステナブルを意識
 
東京のレストランで働いた後、もっと料理の幅を広げたいとフランスのニースへ渡ったオーナーシェフの布山さん。それまでビール党だったそうですが、現地で働いた店が自然派ワインだけを扱うビストロ。そこで自然派ワインの魅力にはまったといいます。「毎日飲んでも飲み飽きないやさしい味わいに、素直においしいと感じました。また、次世代にも続く方法を模索しながらワインを造っている醸造家たちを知るうちに、サステナブルを意識するように。自分の店を開くときは、ワインだけでなく、肉や野菜などの生産者を応援できる店にしたいと思いました」。店作りでほかにこだわったのが、日常的に使ってもらえる居心地のよさ。カウンターはお客さまと目線が合う高さにして、コミュニケーションが取りやすい雰囲気に。一人でも気軽に来られるよう料理はハーフポーションも可能。ついつい長居をしてしまう、心地のよい時間が過ごせます。





カジュアルすぎずフォーマルすぎない、厚手リネンの絶妙な風合い

今、お店ではスタッフのエプロンにUtenaのアンテラサイトと、Utenaの生地を使い特注で作ったナチュラルのナプキンを使っていただいています。 「今までリネンという素材を意識したことがなかったのですが、菊川さんから熱いリネン話を聞いて(笑)、自然派ワインとも通じる、人と環境にやさしいところに惹かれました。使い捨ての紙ナプキンが嫌だったのでナプキンと、エプロンを使ってみることに。エプロンは、僕の定番の仕事着、黒Tシャツと黒パンツともよく合う濃いグレー色がかっこいいとお客さまから好評。ナプキンも、特に女性のお客さまからの反応がいいです。厚手なので安心感があるみたいです。アイロンをしなくても、乾かすときにしっかりとシワを伸ばしておくと、いい感じになるし、使い勝手は想像以上によかったですね」



料理にやさしく寄り添う、個性豊かな自然派ワイン

お店のセラーには300本近くのワインがずらり。フランスを中心に世界各国50以上の生産者のワインを扱っています。自然派ワインにこだわったのは、今でも家族のように親しくしている、フランス時代にお世話になった方々への恩返しの意味もあるというシェフ。グラスワイン(¥700〜)は赤白3種ずつ。ボトルの場合は、ワインリストはなく、料理や気分、好みに合わせておすすめを選んでくれます。「当時、毎日のように飲んで覚えた舌の記憶と、現地で得た情報や、帰国後学んだ知識をもとにセレクトしています。世界的に自然派ワインのレベルが年々高くなってきていますが、やっぱりフランス産を多く選んでしまいます」。今回おすすめしてもらった3本のワイン(上写真)も、ラングドックとジュラの赤、ローヌの白ワインと、フランスの生産者のものでした。



<写真左>ラングドックのドメーヌ「オリヴィエ・コエン」のワインは、フランス時代、同じレストランで働いていた同僚が作っているそう(グラス¥1,100)。果実味あふれるフレッシュな口当たりで、肉料理との相性も抜群です。<写真右>期間限定でワインのテイクアウトも可能。よく見ると遊び心あるメッセージが書かれたワインバッグには、耐久性、防水性に優れたタイベック®の生地を使っています。「開店2周年記念に作ったワインバッグは、デザインや、環境にやさしい素材などこだわりを詰め込みすぎて、まだ価格を決めかねていますが、近日販売予定です」。


布山純志さん
オーナーシェフ
2012年、料理修業のため渡仏。帰国後、都内のフランス料理店、ワインバーを経て、中目黒に2018年、ビストロ「グルドボワ」をオープン。


 
La gueule de bois  グルドボワ   Instagram  

東京都目黒区東山1-8-6
Tel 03-6884-4630
営業時間 15:00〜20:00(※緊急事態宣言に伴い、営業時間短縮中。最新の情報はお店までお問い合わせください)定休日:水曜・第4火曜日
*現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、店舗衛生対策を徹底して行い営業しています。