織物を学びに

木々の葉が黄色や赤に色づきはじめる頃、手織りを学びに再び京都の山奥へ行ってきました。北山杉に囲まれた静けさの中、朝日が神々しく、心が洗われる場所です。

LINEN & DECORの製品で使う布は手織りではなく機械織りですが、多くの工程で人の手を必要としています。

今まで工場とやり取りをする中で、いろいろな要望をしてきました。

 L&D: ここに糸を足してこのデザインにしたい
 工場: それはちょっと難しい

とか、

 L&D: 今度の〇〇製品のために〇〇メートル織って欲しいんだけど、、
 工場: 経糸を通すのが大変な作業だからミニマム〇〇メートルでないと。。

といったやり取りが、幾度となく繰り返されて来ました。

度々工場にも足を運んでいるので、大変さはなんとなく理解しているつもりなのですが、
「これはなぜできないんだろう?」
「どんなところが大変なのだろう?」
という事を、実際に体験し、知りたいと思い、機会を見つけてこの場所に通っています。

今回も、ドラフト図の解読の仕方を学び、パターンが変わるごとに経糸の綜絖(そうこう)を入れ替えて織る。この作業を毎日朝から晩までひたすら何度も繰り返します。

機械織りも手織りも、基本的な仕組みは一緒です。布をつくる工程の中で、織る作業は最後の最後です。そこに至るまで、綾を取りながらたて糸を作り、織機にたて糸を取り付け(経糸を均一にまっすぐに張るのは実はとても大変です!)、その後、組織図に沿って綜絖(ヘルド)通しをして、と、織る前までの準備が大きな比重を占めています。織っている途中で縦糸が切れたら、手で結びます。

こうやって織りを学ぶことで工場での作業が今までより明確にイメージできるようになってきました。きっと、サンプルの依頼やオーダーをするのに役立っているはず。そう心に言い聞かせつつ、今年は帰りに美山で美味しいものを食べて帰宅しました。