ギフトの達人が語る、そばに置きたい一品へのこだわり

Mar, 2019


「お茶席にも持っていける素敵なポーチがあったら」というリクエストから始まったラウンジポーチの企画。
お茶席やお稽古のときはもちろん、日常使いから旅先まで、さまざまなシーンで使える機能性と美しさを備えたポーチができ上がりました。
この企画を発案いただいたギフトコンシェルジュの裏地桂子さんは、今までさまざまな企業と ”これぞ”という一品を 開発してきました。その源泉となっているのは、身の周りで使うものへの深い愛着と品質へのこだわり。
今回は裏地さんにラウンジポーチについての思いをお聞きしました。




ラメがさりげなく光るリネンにひと目惚れ

衣食住ライフスタイル全般に精通し、雑誌や企画展などの商品セレクションをはじめ、
ショップのプロデュースや商品企画、 商品開発などを手がける裏地さん。
食通、きもの好き、京都好きとしても知られています。
茶道歴は長く、大寄せの茶会からプライベートな茶事まで招待される機会が多いそうです。


L&D: 
以前から私どものアイテムをご愛用いただきありがとうございます。
最初はどのようにリネン&デコールと出合われたのですか?

裏地: 
通っているお料理教室で、リネン&デコールのエプロンをつけている方が何人かいたので以前から知っていましたが、一番最初に手にしたアイテムは、2年程前にお友達からプレゼントされたStockholmのイニシャルポーチです。色鮮やかなタッセルもかわいく、また自分のイニシャルが入っていて、特別感のあるギフトですよね。
使いやすかったので、もうひとつ欲しいとGINZA SIXまで買いにいきました(笑)。 ひとつは化粧ポーチ、もうひとつにはお薬などを入れて使っています。

L&D: 
そうだったんですね。ご自身で2個目を買ってくださるなんて本当にうれしいです。
リネン&デコールでは色々なリネンでポーチを作っていますが、 裏地さんはStockholmの生地をとても気に入っていただいているみたいで…。

裏地: 
そうなの。ラメが織り込まれているから華やかで、でも主張しすぎない品のよさが魅力ですよね。
お茶の席では、必要最低限のものだけ持って参加するのですが、その際に持てる、 ポーチとバッグの間のようなものをずっと探していて。
この生地なら、華美になりすぎず、また季節や着物を問わずに持てると思ってお声がけしました。

L&D: 
Stockholmの生地は縦糸の麻と横糸のラメ糸が絶妙な具合で織られたものなんです。 その魅力に目を付けられるとはさすがです!
お茶席用には、今まではどのようなものをお使いだったのですか?

裏地: 
茶礼袋や数寄屋袋と呼ばれているものは柄物が多くて、それ自体は素敵なのですが、 着物によってはコーディネイトが難しかったり。またマチがないものも多く、 必要なものが全部入らなかったり…。
お茶席で使えるものをとお伝えしましたが、 希望通りのものができれば、普段使いでも絶対使いやすいはずと思っていました(笑)





「欲しい!」を形に。アイテム製作スタート

裏地さんからのアドバイスは以下の5点でした。
1)お茶席に必要なものをすべて入れられるサイズで、マチがあること
2)本体にファスナーがついていること
3)帯のお太鼓の中にしまうので、軽くて薄いこと
4)持ち歩きやすいようハンドルがついていること。また折って帯にしまえるよう共布であること
5)アクセサリーや名刺などが入れられるよう、内側にもファスナーつきポケットがあること

L&D: 
まずは、裏地さんから入れるものを伺って必要最小限のサイズで作ってみました。
本体の大きさは一度で決まったのですが、ハンドルの長さ、幅、内ポケットの大きさなどはサンプルをチェックして修正を繰り返していきました。
そして何よりハンドルと本体を繋ぎ合せる縫製には工夫を。 僅かな違いで、見た目の印象はもちろん、使い勝手にも差が出るため細部にまでこだわりました。
間口が広く、マチがしっかりとあるので収納力も抜群です。





裏地: 
確かにハンドルの長さ、絶妙よね。とっても持ちやすいです。
内側のポケットはファスナー付きだから、お茶席のときに外したジュエリーを入れておくのに安心だし、
あと、このミニタッセルも今までのタッセルと違っていて素敵!

L&D: 
そうなんです。モロッコでオリジナルのタッセルを制作しているのですが、糸を撚ることで少し落ち着いた雰囲気に。 帯にしまいやすいよう細めに仕上げています。

裏地: 
どの色も和装とも相性がよさそう。また色が選べるのもうれしいポイント。
本当に欲しいと思っていたものができ上がりました。イニシャル刺繍をプラスすれば、より一層愛着が湧きますよね。
色々な方に喜んでいただけそう。

L&D: 
はい。私も今、毎日持ち歩いていますが、ハンドルがあると、バッグの中でも見つけやすく、取り出しやすいですね。仕事中、ちょっとコンビニまで、なんてときにもさっと持っていけて便利。
裏地さんからご提案いただいた、フライト前のラウンジや旅先のホテルでの朝食で使うシーンを
妄想していたら早く旅行に行きたくなりました(笑)

裏地: 
私も毎日使っていますよ。ポーチの気軽さもあり、ミニバッグとしても持てる使い勝手のよさがいいのよね。
早速、先日のお茶会でデビューさせましたが、周りの反響も上々です。
自信をもっておススメできるから、お茶の仲間はもちろん、 旅好きな友人へのプレゼントとしても重宝すると思います。



「私のマストアイテム、正座椅子が入るサイズだということが最大のポイント」



「季節を問わず、また着物の色や柄を選ばず持てるのがうれしい」



「朝食のときやバーラウンジへは、このポーチを持って。サングラスやメガネもケースごとすっぽりと入ります」


裏地桂子さん
ギフトコンシェルジュ・クリエイティブコーディネーター
著書に『最上級のプチプラギフト100』(光文社)、『わたし好みのHappyデザインギフト100選』(小学館)、『もの、好き』(講談社)などがある。

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